49年連続増配の米たばこアルトリア【MO】が電子たばこジュールの株式取得で株価急落。タバコ市場で何が起こる?!
米タバコ大手のアルトリアグループ【MO】が米電子タバコ最大手のジュール・ラブズの株式35%を取得することで合意したと報じられました。
今回の出資合意を受けて、格付け会社S&Pはアルトリアの投資格付けを「BBB」に格下げし、ムーディーズは格付けは据え置いた一方で見通しはネガティブとしました。
今回の出資額が128億米ドル(約1兆4200億円)と巨額なのに対してジュールの売上高は20億ドル。また米国では電子タバコが若者に急速に普及が進んでいて、規制強化の懸念が高まっています。このような状況で短期的には見返りが小さく割高な出資と判断されているものと思われます。
でもちゅうやんとしては今回の出資はOKと思ってます。
理由は紙タバコの伸びが期待できず、シェアを削られていく中で成長する電子タバコ市場でシェア7割超えの独占企業であるジュールへの出資は理にかなっているし、電子タバコの規制懸念がある今でこそ株式取得交渉が有利に進められると思います。
もう一つの理由は米国でのメンソールタバコの販売禁止があります。メンソールタバコはタバコ大手のブリティッシュアメリカンがシェア上位ですが、喫煙者はメンソールタバコを禁止されてもタバコをやめるとは思えません。つまり、他のタバコに乗り換えるわけですが、アルトリアとしては従来の紙タバコに加えて電子タバコも強化しておいた方が乗り換え喫煙者の争奪戦を有利に展開できると思います。
これらの規制強化の動きや今回のジュール株式取得などでアルトリアの株価は大きく調整しています。21日終値は前日比マイナス2.68%の49.09ドルで引けています。2015年7月以来の安値です。
配当利回りも6%を超えてきました。
チャート的には底割れの危険もあり、すぐに手を出すべきではないかもしれませんが、配当利回りも上がってきていて投資妙味が出てきました。
同じくフィリップ・モリス【PM】も配当利回りが6%を超えています。今後どちらを買うか迷いますが配当にかかる税金はフィリップモリスの方が有利です。
アルトリア【MO】には米国の現地課税10%が日本の税金に加えて2重に課税されます。一方、フィリップ・モリスはADRではないですが、本社がスイスに置いているため現地課税は約0.2%と実質は二重課税を無視できるレベルです。
さらに株価が下げたところでどちらかに新規投資を検討したいと考えています。
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